栄養士になるために必ず通る道…それが、“ 校外実習 ”です。
本校には1年生の後期に給食管理実習Ⅰという、学内の学生や教職員を対象とした大量調理を行う実習があります。
準備に準備を重ね、約80食の給食を作るのですが、
最初は、慣れない大型の器具や大量の野菜にてんてこ舞いで、何とか提供までたどり着くという感じでした。
そんな彼らも、たくさんの経験を経て、「いざ!現場へ!!」
本校の校外実習は、病院、福祉施設、事業所の中のいずれかで2週間業務を経験させていただきます。
同じ2週間ですが、実習先の施設によって、業務内容はもちろん、大切にしていることなどの特徴が異なっており、学生ごとに学ぶことが異なります。
そのため、実習での学びを共有するため、毎年「校外実習報告会」を行っています。
先日、その報告会が開催されました!その様子と学生が学んできた発表内容を一部ご紹介します。
まず病院に行った学生の発表の様子です。
この班は病院の中でも特に管理栄養士の活躍の場である「NST(Nutrition Support Team=栄養サポートチーム)」について学んできたようです。
NSTとは、入院患者様に最良の栄養療法を提供するために、医師、看護師、薬剤師、管理栄養士、臨床検査技師、言語聴覚士など職種を越えて構成された医療チームのことです。
学生は実習中に実際に管理栄養士の活躍を見学することができたようで、「ああいう管理栄養士になりたい!」と報告してくれました。
こちらは別の病院に行った班の発表。
この病院では、普段からブランド米を使うなど、使用する食材に大変こだわっているそうです。そこには栄養課のみなさんの「患者様のために!」という想いがあるとのこと。
忙しい中でも、クライアントの方に最高の食事を提供する、という栄養士としてとても大切なことを学んできたのですね!
続いて、福祉施設に行った学生の発表です。
福祉施設の特徴は、その施設で人生の最期まで過ごされる方が多いということです。
そのため、できる限り自宅にいたときと同じような食生活ができるように配慮しているとのこと。
嗜好調査を定期的に行ったり、ひとりひとりに合わせた食事を作ったりすることで、ご利用者様が満足して食事できるような工夫があったそうです。
季節ごとのイベントが多いのも福祉施設の特徴でした。
噛む力や飲み込む力が弱くなっているご利用者様でも食べられるよう、食べ物を小さく刻む、とろみをつけるといった対応も行っていた、と報告してくれました。
最後に事業所に行った学生の発表の様子です。
事業所での実習は、会社の社員食堂で行います。
事業所は、食事を提供する相手が決まっている病院や福祉施設と異なり、クライアントが健康で食事を自由に選べる人であるため、食事の場所として「選んでもらう工夫が必要」というところが特徴です。
各施設、様々な工夫を凝らして食事提供を行っていたようです。
一部ご紹介すると、
季節に合わせてフェアを行う、数量限定で高級食材を使った定食を提供する、手ごろな小鉢だけの購入もできる、など。中には超有名店とコラボしたイベントを行うという施設も!
他にも、会社に合わせて夜遅い時間まで営業していたり、来店が多いイスラム教徒のお客様への対応としてハラール食(豚肉を使わない食事)を提供したりしているところもあり、お客様に喜んで食事を召し上がっていただけるような工夫が数多く報告されました。
それ以外にも、「なぜ、何百食もの食事をたった数人で行えるのか!?」
というところに目をつけ、導入されている機械や、調理員同士のコミュニケーションの取り方など、効率の良さを学んできた学生もいました。
様々な施設における特徴を報告会で聞くことで、座学で学んだことと現場の結びつきが分かったり、進路を決める上でのひとつの指標になったりもしますね!
本日の報告会に向けて、学生は一生懸命準備してきました。
発表用原稿を作り、スライドを作り、先生方に添削をしてもらい…
何度も何度も読み合わせをして臨みました。
その結果、人前での発表も緊張を見せず、自信を持って落ち着いて行うことができていたと思います。
何事も経験です。
今回実習で経験できたこと、報告会に向けて準備したことは必ず学生の皆さんの糧になることでしょう。
ぜひ、今後の力にしていって欲しいと思います。
学生の皆さん、お疲れ様でした!新年度からまた頑張りましょう。